今月の衛星写真

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2025年のテーマは 境界 です
Vol.27-07 2025年7月

朝鮮半島を分断する38度線とD.M.Z.

 朝鮮半島における38度線とD.M.Z.(DeMilitarized Zone;非武装地帯)は、南北分断とその後の軍事的緊張を象徴する重要な境界である。38度線は、第二次世界大戦後の1945年に、朝鮮半島を北緯38度線を境に北側をソ連、南側をアメリカが分割統治するために設けられた緯度線である。当初はあくまで暫定的な占領区分けの線であったが、後に北朝鮮と韓国という二つの国家が成立し、政治的な分断線としての意味を持つようになった。

 一方、DMZは1950年に勃発した朝鮮戦争が1953年の停戦協定により休戦に至った際に設けられたもので、南北の軍事衝突を防ぐための緩衝地帯である。南北の軍事境界線(Military Demarcation Line, MDL)を中心に、南北それぞれ2kmずつ、計幅4kmの帯状地帯が非武装地帯(D.M.Z.)である。

 D.M.Z.は、停戦協定に基づき南北の軍事境界線(MDL)を中心に南北それぞれ2kmずつ、計4kmの幅で設定され、全長は約250kmにおよぶ。軍の配置や武器の持ち込みが制限されており、長年にわたって人間の立ち入りが制限されてきたため、現在では豊かな自然が残る地域ともなっている。

 38度線とDMZはしばしば混同されるが、両者は必ずしも一致するわけではない。38度線は地理的な緯度線であり、戦争の結果として南北の支配地域が変動したため、現在の軍事境界線であるD.M.Z.は38度線とは若干ずれた位置にある。したがって、38度線は歴史的な分断の出発点、D.M.Z.は現在の実質的な境界線と位置づけることができる。 このように、38度線とD.M.Z.は朝鮮半島の分断と緊張の歴史を象徴する二つの異なる境界であり、それぞれが異なる時代的・機能的背景を持ちながら、今日の朝鮮半島情勢においても重要な役割を果たしている。

 
画像1 朝鮮半島の北緯38度付近を横断する画像 SENTINEL2  2025年6月6日の画像を接合 RGB:432 矢印の間がD.M.Z.(DeMilitarized Zone;非武装地帯)

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