アジアとヨーロッパの境界 ボスポラス海峡
イスタンブールはいまや人口が1600万人といわれるトルコの大都市です。この都市を二分するのがボスポラス海峡ですが,ここはまたヨーロッパとアジアの境界でもあります。2025年4月23日に,イスタンブールの近くで大きな地震が発生しました.プレート境界で起こった地震です.震源はイスタンブールのすぐ南西,マルマラ海の中を通る北アナトリア断層に沿ったあたりのようです.図1は,トルコ周辺のプレート境界を示しています.イスタンブールのすぐ南側には,東西に延びる北アナトリア断層があり,これが南北のプレートの境界にあたります.今回の地震もこの境界に沿って起こったようです..今月扱う地域は,様々な境界が通っている場所だということになります.
ボスポラス海峡は.南北の全長が30km,幅は黒海側の入口が最も広く 3.7kmあり,最も狭いところは 750mほどです.水深は 36~124mと変化に富みます。海峡の中央部を黒海からマルマラ海に向かって速い海流が流れるいっぽう,深層には逆向きの潮流がありといわれます.ボスポラス海峡には3つの橋が架かっていますが,このほかにいちばん南のマルマラ海へつながるあたりに海底トンネルが通っています.このトンネルは日本の技術でつくられたものですが,建設やさんたちの奮闘記はかつてNHKの「プロジェクトX」で紹介されました
さて本題です.海峡を夾んでヨーロッパ側には、灰色の裸地が所々にみられますが,これらは大理石の採石場です.市内の多くの歴史的建造物の建設はこの大理石が使われているといわれています.ボスポラス海峡に沿って,南側の海岸近くでは、都市域が小さな植生地帯によって分断されていますが,疑似赤外カラーの画像でよくわかると思います。イスタンブールは歴史の古い都市で歴史的な建造物もあ多数ありますが,市街地では近代的なビルが林立しています.ヨーロッパ側に大きな空港が二つあります.南のマルマラ海の近くにあるのは旧国際空港で,北の黒海近くにあるのは,近年になって開港した新国際空港です。この空港は市街地から離れていて,夕方ラッシュ時に空港から市街地へ向かうと大渋滞に巻き込まれてしまいます.イスタンブールはアジアとヨーロッパの境界に位置しすので,交通の要所でもあります。新空港はハブの役割も持ち離発着の多い空港です.空港の規模はドバイ空港よりも大きく,トランジットで乗り換えるときは嫌になるほど空港内を移動しなければならないことがあります.







左下:ボスポラス海峡上空(2023年9月)。イスタンブール北部の丘陵地帯の景観(2024年11月) 長谷川 均 撮影