ハニ族の棚田 -中国雲南省元陽県の急斜面に作られた広大な棚田-
中国雲南省南部の紅河ハニ族イ族自治州に位置する元陽県は、ベトナム国境にも近い山岳地帯である 。ここでは、海抜1,400mから2,000mに及ぶ険しい斜面に、世界最大級の棚田群が広がっている 。この地域は哀牢山南部に位置し、霧や雨が多い気象条件が稲作に適していた 。
この壮大な景観は、唐の時代にあたる約1300年前、他民族に追われこの地に辿り着いた少数民族のハニ族によって築かれ始められた 。彼らは独自の灌漑技術と農法を磨き上げ、気の遠くなるような年月をかけて山肌を耕し、現在の姿を作り上げた 。その歴史的・文化的価値が認められ、2013年には「紅河ハニ棚田群の文化的景観」としてユネスコの世界文化遺産に登録された 。
景観の美しさは圧巻で、麓から山頂まで5,000段以上、総面積12万ヘクタールに及ぶ棚田が連なる 。特に11月下旬から4月の「灌水期」は、収穫を終えた田に水が張られ、水面が鏡のように空の色を反射する最も美しい時期である 。多依樹(タ・イ・シュ)での雲海を伴う幻想的な日の出や、老虎嘴(ラオ・フ・ズイ)や壩達(バ・ダ)で棚田が黄金色に染まる夕日は、世界中の写真家や観光客を魅了してきた 。また、ハニ族の伝統的な「キノコハウス」と呼ばれる住居が残る村々もあり、独自の民族文化が息づく光景も大きな見どころとなっている 。
本稿は、棚田学会、Trip.com,HISなどの旅行サイトにある記事からまとめました。





