九州の山:由布岳 小山 拓志
大分県に聳える由布岳(1583m)は,美しい双耳峰の活火山です。古来より信仰の対象として崇められ,『古事記』や『豊後国風土記』にもその名が記されています。現在は,側火山である飯盛ヶ城(1067m)なども含めて,阿蘇くじゅう国立公園由布・鶴見地域における自然景観の主要な構成要素となっています。また,山麓周辺では現在でも野焼きを行っているため,ススキやネザサなどを主とした草原が広がる特有の植生景観を呈しています。今回の地理写真では「九州の山」として,大分県民が愛する由布岳を紹介します。.




由布岳は西峰と東峰がある双耳峰で,西峰に一等三角点があります。西峰と東峰の間には火口が存在しています(写真下部)。由布岳では,約2,200年前に規模の大きな噴火活動が発生したとされています。

正面登山口から中腹まではつづら折りのなだらかな登山道ですが,溶岩ドームから突然岩稜の急登になります。西峰に行くにはスリリングな鎖場を登らないといけません。

由布岳の中腹からみた由布院盆地。天気が良い日は九重連山まで見渡すことができます。

由布岳山麓では,黒ボク土中に約7,300年前のアカホヤ火山灰(K-Ah火山灰:オレンジ色のバンド)を観察することができます。


野焼き後の様子です。山麓には,火に強いカシワが分布しています。

写真1,3:2013年12月2日,写真2,4,6,7:2013年6月22日,
写真5,10:2011年9月22日,写真8:2014年3月9日,写真9:2018年3月18日,
小山拓志 撮影